自家版「新入社員諸君!」

「新入社員諸君!」
私が東京で会社勤めをしていたこる、4月1日なると「新入社員諸君!」というタイトルで、新聞広告や車内吊り広告に作家の山口瞳さんの文章が掲載されていました。スポンサーは山口さんの出身だったサントリーでした。
そこには、先輩社会人からのエールという感じで、新入社員に対しての励ましのメッセージが掲載されていました。

2020年はコロナウイルスの影響で、新入社員研修もキャンセルになった企業が多々あるのではないでしょうか。
山口瞳さんとまではいきませんが、私なりに新入社員のみなさんに、伝えたいことを書いてみようと思います。

Contents

1 仕事は自分の時間を売ることではない。

これから1日8時間以上は仕事や会社とかかわっていくことになります。
みなさんの社会人人生を実り多きものとするためには、ぜひこの時間を好きになっていただきたいと思います。

そのためには仕事のとらえ方というのが大切になります。
有名な寓話として「3人のレンガ職人」というのがあります。

旅人がある工事現場を通りました。そこには3人の職人が作業をしていました。

1人目の職人に「何をしているんですか」と尋ねました。

「見ればわかるだろ、レンガをつんでるんだ」

2人目にも同じ質問をしました・

「ああ、新しい教会をつくるためにレンガを積んでいるんだよ」

3人目にも尋ねました。

「今、教会をつくるためにレンガ作ってるんだ。みんながこの教会で礼拝してくれると思うと、わくわくするね」

質問の答えという観点からは、どの答えも間違っていません。
しかし、仕事のとらえ方は様々です。

最初の職人は自分の仕事を作業ととらえていました。
2人目の職人は目的は理解していました。
3人目の職人は目的を理解したうえで、自分の仕事に対する誇りや夢を語ってくれました。これから上手に仕事や会社と付き合っていくためには、自分の仕事に対しての夢や誇りはとても大切です。

仕事とは自分の時間を切り売りして、報酬を得ることではありません。
みなさんの会社が販売している商品やサービスは必ずお客様の役に立っているのです。お客様に役立ち、報酬を得て、かつ自分の夢に向かって時間を活用していくよう心がけてください。

社会に入って厳しいのは、時間の切り売りと考えるのも、夢に向かって進もうと考えるのも、自由だということです。
ただ、社会人の先輩から言わせていただくと、10年後振り返ったとき、この考え方の違いが、すごく大きな差になっているということです。

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2 組織の中で成功する人

自分自身も会社員を経験し、その後独立し、さまざまな企業で大勢の人とお会いしてきました。
組織で成功するためには、ある程度仕事ができるということはもちろんです。ただ、仕事ができるだけでは成功の必要条件とは言えません。
私の経験からいえば、「人間力」が成功の最重要ファクターと思います。
チームのメンバーから支持されない人は、組織での成功はなかなか難しい。なぜなら、仕事はチームで行うものだからです。
では、人間力とはどのように磨かれるものでしょうか。

私は研修ではいつもマザーテレサさんの言葉を引用しています。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」

この言葉からいけば、「愛」というのは他人に関心を向けるということではないでしょうか。
自分が仕事が早くできるから、うまくできるからといって、他人に無関心では、人間力は磨かれません。

上手くいっていない人はいないのか、遅れている人はいないのか、目配せをするとともに、自分で手伝えることはないのかなどを考えてみましょう。
あなたが手助けした人は、何かの拍子にあなたを助けてくれることでしょう。
他人が支持してくれるか、そうでないか。これも10年後に大きな差となって出てきます。

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3 新入社員の特権は失敗できるということ

入社早々いきなり即戦力として、新入社員をとらえている会社はほぼないと思います。
会社がみなさんに期待していることは、元気と前向きな行動です。
元気、みなさんの朝の挨拶から始まります。職場のメンバー全員に聞こえるよう、元気に挨拶をしていきましょう。
新入社員だからと遠慮する必要はありません。みなさんの元気で職場の雰囲気が変わることも、会社は期待しているのです。
仕事がら多くの会社に伺いますが、あいさつの悪い会社で業績のいい会社はありません。
新入社員といえども、元気なあいさつで会社を引っ張っていくことはできるのです。

2番目は前向きな行動です。
新入社員が持っている特権は「失敗できる」ということです。みなさんが未熟であるということは、上司や先輩も十分に理解しています。
これが2年目、3年目となるとそうはいきません。失敗が許される1年目だからこそ、前向きに行動していただきたいと思います。
失敗が成長につながるのです。

最後に、仕事の学び方の基本をお伝えしたいと思います。
みなさんは「守・破・離」という言葉をご存じでしょうか。茶道から来たことばで、技能を伝承する際の段階を表す言葉で、十分に仕事にも応用できます。
「守」とは、最初はまず、言われたことを忠実に守り、基本を身につけるということ。
「破」は基本を実践しているうちに、自分なりに気づくところもでてきます。そうやって教えられたことから、少し自分の色を付けて仕事をしていくということ。
「離」は、最終的には自分のスタイルを身につけ、自分のやり方で仕事をしていく。
ということです。

最初から、自分のスタイルはできません。それはたんに我流であり、決して良い成果に結びつきません。
まずは3年程度、必死に基本を身につけることです。

みなさまの社会人人生に幸多からんことを!

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